ライフワークと犬のしつけ

起きたイラク戦争は、FXに影響を及ぼす地政学的リスクが表に現れた典型的な事例です。

また、米国同時多発テロ以降は、テロも地政学的リスクとしてFXの為替市場で強く意識されるようになりました。

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では、日本の地政学的リスクには、どのようなものがあるでしょうか。 1991年のソビエト連邦解体後に市場で意識されているのは「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)情勢」です。これまでを振り返ると、FXで円相場を下げる出来事には次のようなものがありました。

①不審船に対する自衛隊の海上警備行動(1999年)

3月、北朝鮮の不審船に対して海上警備行動(自衛隊の部隊が出動する海上治安維持活動)がとられるという事件が起きました。FXの為替市場では、紛争の当事国であり朝鮮半島に地理的に近い日本について地政学的リスクが意識され、円が売られました。

②ミサイル発射実験・核実験(2006年)

7月、北朝鮮がミサイル発射実験を行い、10月には地下核実験を行ったと発表。FXの為替相場は円安に動きました。

③核実験(2009年)

5月、北朝鮮は2006年に続いて再び核実験を実施。韓国では株価と通貨ウォン相場が急落。日本では円が売られました。

いずれの事件でも円売り、円安の要因となっています。ただし、北朝鮮情勢の緊張が招いた円安は、影響の程度が限られるうえに、1~2日で薄れる材料にとどまっています。

FXの市場は上記の出来事をとても冷静に受け止めているといえるでしょう。

これは、ぎりぎりまで強硬な姿勢を崩さない北朝鮮の「瀬戸際戦術」が、米国との直接対話を引き出して政権の存続を保証してもらうための一種の「外交カード」であり、本気で米国や韓国、日本と戦争するつもりはないことを、FXの為替市場が見透かしているためです。

北朝鮮の強硬姿勢は、少なくとも金体制が続いている間は外交上のはったりである性格が強いため、一時的に円売りが進むことはあっても、それがトレンド(FX相場の方向性)を変えるような影響力はないでしょう。むしろ問題は金体制の行方です。

今後は以上のような問題がFXの為替市場の注目材料として浮上してくるかもしれません。引き続き、円相場に影響を与える北朝鮮情勢は、慎重にウオッチしていく必要がありそうです。